「誰かの役に立ちたい」と思って動いたのに、なぜか疲れてしまう。感謝されないと、むなしくなる——。そんな経験はありませんか。そう感じるのは自然なことです。
こんにちは、JIBUNアカデミーグロースのけんさんです。自己肯定感を高めるカウンセリングをしています。この記事では、アドラー心理学の「他者貢献」という考え方を、自己犠牲との違いに注目してやさしく解説します。
- 他者貢献とは、アドラー心理学で「自分は誰かの役に立っている」と感じられる関わり方のこと
- 幸せのカギは、行動の大きさや相手の評価ではなく、自分の中に生まれる「貢献感」
- 見返りや評価を求めると自己犠牲に変わる。まず自分を受け入れること(自己受容)が土台になる
他者貢献とは?アドラー心理学での意味
他者貢献とは、「自分は誰かの役に立っている」と感じられるように、周りの人と関わっていくことです。アドラー心理学の中心にある考え方のひとつです。
アドラー心理学を紹介した岸見一郎さん・古賀史健さんの『嫌われる勇気』では、人が幸せに生きるための土台である「共同体感覚」を支えるものとして、次の3つが挙げられています。
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| 自己受容 | できない自分も含めて、ありのままの自分を受け入れること |
| 他者信頼 | 条件をつけずに、周りの人を信じること |
| 他者貢献 | 見返りを求めず、仲間である誰かの役に立とうとすること |
この3つはつながっていて、どれか1つだけを頑張ってもうまくいきません。自分を受け入れ(自己受容)、相手を仲間だと信じられる(他者信頼)からこそ、無理のない形で誰かの役に立てる(他者貢献)のです。
他者貢献と自己犠牲はどう違うの?
見た目は同じ「人のための行動」でも、動機が違うと、心に残るものがまったく変わります。
| 他者貢献 | 自己犠牲 | |
|---|---|---|
| 動機 | 相手の役に立ちたいから | 嫌われたくない・認められたいから |
| 見返り | 求めない | 感謝や評価を期待してしまう |
| 終わったあと | 満たされた気持ちが残る | 疲れやむなしさが残る |
| 自分の気持ち | 大切にしている | 後回しにしている |
自己犠牲になりやすいのは、「役に立たないと、自分には価値がない」と感じているときです。アドラー心理学でいう「承認欲求」に振り回されている状態で、他人の期待に応えることが目的になると、どれだけ尽くしても心は満たされません。
なぜ他者貢献で幸せを感じられるの?
『嫌われる勇気』では、幸福とは「貢献感」であるという考え方が紹介されています。ポイントは、貢献が目に見えるかどうかではなく、自分自身が「役に立てた」と感じられるかどうかです。
- 相手から感謝されなくても、自分が「役に立てた」と感じられれば十分
- 大きな行動でなくても、話を聴く・笑顔であいさつするだけでも貢献になる
- 何かをしていなくても、そこにいること自体が誰かの支えになっていることもある
他人の評価をものさしにしないので、相手の反応に一喜一憂しなくなります。これが、他者貢献が「自分も幸せにする」理由です。
日常でできる他者貢献には、どんなものがある?
特別なことをする必要はありません。たとえば次のような小さな関わりも、立派な他者貢献です。
- 家族に「ありがとう」を言葉にして伝える
- 同僚の話を、途中でさえぎらずに最後まで聴く
- 後輩のちょっとした成長に気づいて声をかける
- お店の人に笑顔で「ごちそうさまでした」と伝える
- 困っている人に「何か手伝えることある?」と声をかける
1日の終わりに「今日、誰かの役に立てたこと」を振り返ると、貢献感に気づきやすくなります。夜に良かったことを3つ書き出すスリーグッドシングスも、貢献感を育てる習慣としておすすめです。
他者貢献がつらくなるのは、どんなとき?
「人のために」が苦しくなるときは、次のようなサインが出ていることが多いです。
- 断ったら嫌われる気がして、頼まれごとをつい引き受けてしまう
- 相手の反応が薄いと、がっかりしたり腹が立ったりする
- 自分の予定や体調より、他人の都合をいつも優先している
こんなときは、まず自分を満たすことを優先してみてください。相手がどう受け取るかは相手の課題で、自分がコントロールできるものではありません。この考え方は課題の分離の記事でくわしく紹介しています。
僕自身、物流の現場で責任ある立場にいた頃は、「期待に応えなければ」と自分を後回しにして、心身のバランスを崩したことがあります。自己肯定感を学んで気づいたのは、自分を大切にできていないと、人の役に立つことも長くは続けられないということでした。
今日からできる3つのステップは?
- 自分を満たす:疲れているときは、休むことを先にする。自分の気持ちを後回しにしない
- 小さな貢献を1つ選ぶ:「ありがとうを伝える」など、今日できることを1つだけ決める
- 夜に振り返る:相手の反応ではなく、「自分が役に立てたと感じたか」を振り返る
一度に全部できなくて大丈夫です。あなたのペースで、少しずつ変わっていきます。
よくある質問
- 他者貢献とは、かんたんに言うと何ですか?
-
「自分は誰かの役に立っている」と感じられるように、周りの人と関わることです。アドラー心理学では、幸せに生きるための大切な要素のひとつとされています。
- 他者貢献と自己犠牲の違いは何ですか?
-
動機と見返りの有無です。他者貢献は「役に立ちたい」という気持ちから見返りを求めずに行うもので、自己犠牲は「嫌われたくない・認められたい」という気持ちから自分を後回しにして行うものです。
- 感謝されないと、他者貢献にならないのですか?
-
いいえ、なります。大切なのは相手の反応ではなく、自分が「役に立てた」と感じられる貢献感です。感謝するかどうかは相手が決めることで、自分ではコントロールできません。
- 自己肯定感が低くても、他者貢献はできますか?
-
できます。ただ、自己肯定感が低いと「役に立たないと価値がない」と感じて自己犠牲になりやすいため、まず自分を受け入れる(自己受容)ことから始めるのがおすすめです。
まとめ:まずは自分を大切にするところから
- 他者貢献とは、「自分は誰かの役に立っている」と感じられる関わり方
- 幸せのカギは、相手の評価ではなく自分の中の「貢献感」
- 自己犠牲にならないためには、自己受容が土台になる
誰かの役に立ちたいというあなたの気持ちは、それだけで素敵なものです。自分を大切にしながら、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。Glow & Grow。
「人のために頑張りすぎてしまう」「自分を後回しにするクセを変えたい」——そんなときは、カウンセリングで一緒に整理していくこともできます。はじめての方は、500円の脳傾向性診断から始められます。
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